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祖父江のイチョウ

愛知県稲沢市祖父江町へ「イチョウ」の黄葉を見に行った。せっかくなので、イチョウを見ながら善光寺の東海別院を往復した。

自宅周辺のイチョウは散り始めているが緑葉を残したものがある。「そぶえイチョウ黄葉まつり」が11月20日~30日の開催なので、今日はその一週間後だが、黄葉には少々遅刻したようだ。落葉したイチョウが多かった。

イチョウの黄葉

名鉄尾西線の山崎駅で下車すると東側に「祖父江ぎんなんパーク」がある。正直、しょぼい公園だが、ここにイチョウ四種類の案内がある。

写真1 祖父江ぎんなんパーク、藤九郎写真2 祖父江ぎんなんパーク、栄神

植樹された主力は「藤九郎」と「金兵衛」だが、いずれも既に黄葉を落としている。数が少ない尾西線沿いの「久寿」は少し残っているが、管理不足で緑色のツタが一部に絡んでいる。そして、僅かしかない「栄神」の小さな木は充分に黄葉を残していた。

案内パンプレットでは、「栄神」「金兵衞」「久寿」はギンナンの早生種、「藤九郎」は晩生種だが、落葉時期は別のようで、晩生種の「藤九郎」が早々に葉を落としている。

写真3 祖父江ぎんなんパーク、藤九郎
写真4 祖父江ぎんなんパーク、藤九郎、ギンナン

その「藤九郎」の枝にはギンナンが鈴なりで、落ちたギンナンが地面を覆っている。普段に見る街路樹のイチョウとまったく様子が違う。

ギンナンを踏み潰すと悲惨なことになりそうなので慎重に避けて歩くが、既に周辺はギンナンの独特の臭いが強い。

写真5 イチョウ写真6 イチョウ
写真7 イチョウ写真8 イチョウ
写真9 ギンナン写真10 イチョウ
写真11 イチョウ写真12 イチョウの乳根
写真13 イチョウ

「善光寺3km」の看板を見て公園を出発する。山崎駅周辺の黄葉を残したイチョウは例外的で、多くは落葉して黄色の絨毯になっている。大規模な「果樹園」はほとんど見ない。イチョウがあるのは民家の間の畑地のような場所や屋敷のなかで、地面に青いネットを敷いてギンナンを集めている。乳根がある古木が屋敷で公開されていた。

山崎駅の北側一帯を歩き、駅近くの祐専寺へ戻って車道を善光寺へ向けて西へ歩く。

祐専寺周辺では露店二店舗がギンナンを販売していた。塩水選別済みとあるので、塩水に浮く粗悪品は除去してあるのだろう。ただ、ギンナンは毒性(東京都保健医療局)があるので子どもには勧められない。また、イチョウの葉は老人薬としてドイツでは認可済みとのことでサプリメント化されているが、これも毒には違いないのだろう。

善光寺 東海別院

写真14 イチョウ写真15 イチョウ

祖父江町体育館の東側ではギンナンの採取が終わっていた。ネットは片付けられ、落とした枝が積み上げられている。北へ歩き、平和堂を左に見て善光寺へ向かうと古い商店街になるので、適当なところで左折して善光寺東海別院へ。

写真16 善光寺東海別院写真17 善光寺東海別院

さっそく「極楽をこの世で拝める善光寺」ということで戒壇めぐりへ。暗い急階段を下りて暗黒の中を壁伝いに歩くと、薄明かりの中に錠前があり、「善光寺東海別院が日本一とほこる極楽の荘厳」となった。仏様が連座し、迦陵頻伽が飛ぶ場面ばかりが極楽というわけでもないと思うのだが。

写真18 善光寺東海別院写真19 善光寺東海別院

山崎駅へ戻った。サカエ理研の工場の東に大きめの「果樹園」があったが落葉していた。航空写真では各所にそれらしいものが見えるけれど、路上のギンナンを避けて歩くことに疲れた。

祖父江のイチョウを見て

気になっていた祖父江を訪問できたが、期待値をかなり下回った。

時期的に少し遅くなったが、これは減点対象ではない。歩いてみれば誰でも気付くだろうが、ここにはイチョウの大木がない。ギンナン採取の作業性のためか、どれも切られて樹髙が低い。また、落葉して黄色の絨毯になった場所へ立ち入れる機会はあまりない。悪臭も気にかかる。観光的立場からは遠い生産現場だった。

写真20 名古屋駅にて、イチョウ

名古屋経由で帰宅した。名古屋駅のイチョウは落葉していない。都市部なので気温が高いためか、それとも木の性質が違うためか。

御在所岳の山頂から始まった今年の紅葉・黄葉の追いかけはこれにて終了かな。

(作成 2025.12.08)