日野祭・宵祭
2024.05.02
日野祭は馬見岡綿向神社(滋賀県日野町)の春季例大祭であり、5月2日~4日に開催される。2日の宵祭は西之宮神社への神輿渡御があり、夜は各町内で曳山が引き出される。綿向山へは何度も登っているが日野町は素通りするばかりだったので、町内散策を兼ねて宵宮の見物に出かけた。
午後、日野まちかど感応館(旧正野薬店)で散策地図を入手して西之宮神社へ向かう。羽織袴の人が何人か社務所におり、正殿前には湯釜四基が据えられていた。




馬見岡綿向神社へ向かうと、笠懸の宮付近で西之宮神社へ向かう神輿渡御の行列に出合った。神輿一基が台車に載せられて静かに移動して行くので見送る。
馬見岡綿向神社前では西大路の曳山が引き出されている。日野の曳山十六基の内で最大のものとのこと。本祭の準備がされた神社を参拝して引き返し、引き出された曳山を見ながら近江日野商人館(旧山中兵右衛門邸)へ向かった。




日野商人は漆器や合薬の事業で財を成したとのこと。屋敷は派手ではないが綺麗。二階には資料が展示されている。
山中家は静岡県で酒の卸売業を営んでいるとのことで日野商人の流れを汲む酒造業者の酒瓶が並べられていたが、中央の「朝日嶽」(愛知県新城市・日野屋商店)は10年ほど前に廃業している。その後の三重県津市の蔵元は名前を聞いたことすらない。何時までも都合の良い商売はないらしい。

西大路、本町、新町、越川町と「札の辻」直近の上大窪町を含めて、おそらく十一基の曳山を見た。残る五基は各町内にあるのだろうが夕刻になって歩く元気が残っていないので諦める。





町内の道路は狭く、そのためか路上には夜店がない。「札の辻」の北詰にある興仙寺境内には地元の人らしい出店があって賑わっていた。
祭囃子は子供主体で構成されており落ち着いたものだ。これに青年が混じる町内は少し騒がしくなるが、どちらかといえば静かな祭りだった。20時前には見物人が増えた「札の辻」を辞する。真っ暗な鈴鹿スカイラインを返らなければならない。