丹沢:大山
大山寺、大山阿夫利神社下社を経由して、「大山詣り」の登山道を大山山頂の本社まで登った。大山寺、下社では紅葉が良く、多数の登山者、観光客で賑わっていた。
- 登山日
- 2024年11月30日土曜日
- ルート
- 大山ケーブルバス停-女坂-大山-見晴台-女坂-バス停
大山詣り
大山は落語「大山詣り」に名前が出てくることで知った。江戸時代に大山講の団体登山で大山寺(大山不動尊)や山頂の石尊大権現が登拝された信仰の山だ。
ただ、大山阿夫利神社のサイトを見ても、神仏分離で大山寺が分離される前のことは良く分からない。観光情報としては、神奈川県伊勢原市の日本遺産の資料や、小田急のサイトが詳しい。
大山
東京での仕事が終わってから、丹沢の東にある大山(1252m)を登った。東海道新幹線の車窓からは穏やかな三角形の山として見えている。
新宿から小田急に乗車して伊勢原駅で下車。一泊して、翌朝の大山ケーブル行きの始発バス(6:05)に乗る。車内はほぼ満席で、大方は終点で降りる登山者だった。さすがは紅葉時期の週末だ。
バス停から6:30に歩き始める。直近の市営駐車場は既に満車で登山者の姿が多い。旅館、料理屋、土産物屋が両側に並ぶ「こま参道」の階段道を登るうちに、周辺が朝焼けに染まった。今日は良い天気だ。
右にケーブル駅を見送れば八意思兼神社で男坂と女坂の分岐になる。午前中の明るい時間に大山寺の紅葉を見ておきたいので女坂を選択したが、大方の登山者も同様だ。






常緑樹の登山道から大山寺に入るとカエデが植栽されているのか紅葉がきれいだ。整備された階段には不動明王の眷属が並んでいるようだが、きつい登りなので見ている余裕がない。登山者で混雑する本堂前に着いてひと心地する。
大山寺からの女坂には強烈な勾配の石段がある。男坂を併せて、既に開店している茶屋前に到着すれば、広くなった空間に鳥居と整備された階段が続き、大山阿夫利神社下社の拝殿の前に飛び出した。






拝殿前の広場から見る相模湾には江ノ島がある。木太刀を奉納する若者像は日本遺産の指定記念だろうか。廃仏毀釈がなければ、ここに大山寺の不動堂が残ったいたはず。大山ケーブルの開通は昭和12年、大山寺の跡地に現在の下社が造営されたのは昭和52年とのこと。その拝殿はコンクリート製のように見える。
拝殿左側の登拝門から急階段を登って登山道へ入る。登山道には石段があったり、岩がゴロゴロだったりで歩きにくが危険箇所はない。

周辺は冬枯れの樹林に変わって雰囲気が明るくなる。ヤビツ峠からの登山道を併せてしばらく登ると多数の登山者の前をシカが横切り、グレーチングの階段と山頂部を囲う植生保護ネットが現れた。地面をグレーチングに置き換えるとシカが入らないとのことだ。






大山の山頂にはシャッターが閉じられた前社、石段を登れば本社、一番高いところに奥社がある。神仏分離の以前は、前社に小天狗、奥社に大天狗、本社に石尊大権現が祭られていたとのことだが、磐座らしいものは見えない。石尊大権現は本殿の中だろうか。
北側の電波施設から西側へ廻ると富士山や丹沢の山を見られる。しかし、弱い風でも冷たいので、多数の登山者が休憩している山頂東側へ移動した。東京のビル群にはスカイツリーがあり、ビル群の左に見えるのは筑波山か。機会があれば行きましょう。


見晴台経由の登山道を下社へ下山した。登山道は良く整備されており、一部を除けば岩ゴロゴロもなくて歩きやすい。ベンチが置かれた平坦な見晴台からは、電波施設が見える大山山頂を振り返ることが出来る。
近年の丹沢東部の山はヤマビル地獄なのだそうだが、この時期なのでヤマビルの心配はなく、二重滝を経由して水平な登山道を下社へ戻った。

その下社は観光客が多く、既にケーブルカーの乗車待ちは60分とある。女坂は大山寺までの急勾配が混雑。こま参道は更に混雑しており、NHKの「にっぽん百低山」の如くに豆腐料理に入店する気にはなれない。
日程都合で週末になったが、この混雑を恐れて早々に逃げ帰った。落語では帰路の藤沢宿での精進落としが騒動の始まりだが、何処にも立ち寄らずに小田原から東海道新幹線に乗車した。
下社のライトアップは明日までだが、紅葉が遅れた今年は期間を延長しても良いくらい。バス停周辺の紅葉はこれからのように見えた。
行程表
6:30 | 大山ケーブルバス停、出発 |
6:46 | 男坂・女坂分岐 |
6:59 | 大山寺(6:59-7:09) |
7:30 | 大山阿夫利神社下社(茶店前 7:30-登拝門 7:45) |
8:43 | 富士見台 |
9:26 | 大山山頂・本社前(9:26-9:49) |
10:44 | 見晴台 |
11:11 | 大山阿夫利神社下社・茶店前 |
11:24 | 大山寺 |
11:44 | バス停、着 |