鈴鹿山脈/登山日記/山行記録/京都:愛宕山 2023-07-31

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京都:愛宕山・愛宕神社千日詣り

京都・愛宕山(924m)の山頂に鎮座する愛宕神社では、7月31日に千日通夜祭(千日詣り)が営まれ、この日に参拝すれば千日分の御利益を授かれるとのこと。約4kmの表参道は翌朝まで電灯が灯されて多数の登山者で賑わう。

登山口の二ノ鳥居からの標高差は840mほど。登山地図では2時間40分の行程だが、暑さと湿気で厳しい登りだった。

登山日
2023年7月31日-8月1日月曜日-火曜日
ルート
清滝-表参道-愛宕山(愛宕神社)-表参道-清滝

清滝まで

四日市の自宅を17時に出発した。11時の天気分布予報では夕立はないが、翌朝6時の愛宕山周辺は雨だった。

JR四日市駅を17時52分に出発し、亀山、柘植、草津を経由して京都着は20時27分。運賃1980円。駅近くで食事をして、山陰線の嵯峨嵐山に21時40分に到着。運賃240円。予報になかった雨で濡れた道を歩き、天竜寺前の野々宮バス停にて清滝行きの増発バスに乗車した。バスはザックを降ろさなくても良い程度の混雑で運賃230円。

清滝バス停で出発する乗車客を見送ってから歩き出した。手洗いは一般車の駐車場にあるらしい。消防団の詰め所がある登山口・二ノ鳥居の出発は22時15分になった。

愛宕山

写真1 二ノ鳥居写真2 表参道

二ノ鳥居(標高90m)から裸電球で照明された表参道を歩く。鳥居周辺では、かき氷を売る店などが僅かに営業している。しばらくは舗装された道が続く。おばあちゃんが一人、消防団員に囲まれて下りてきた。登山者スタイルではない。

写真3 表参道写真4 火燧権現跡
写真5 三合目休憩所写真6 三合目休憩所周辺

舗装から地道に変わると右に火燧権現跡の案内板(標高190m)がある。地形図の階段道が終わるところだ。整備された石コロ道の登りが続き、右手に三合目休憩所を見て左折する。二十五丁目の茶屋跡(標高390m)とのこと。周辺では多くの登山者が休憩している。ヘッドランプを持参したが、登山するには使用の必要を感じない。

写真7 五合目過ぎ

消防団員の詰め所がある五合目休憩所(標高537m)から少し登ると表参道はしばらくの間、歩きやすい平坦な道になる。右に石地蔵がある付近から、左に京都市街の夜景が見える。この先で水平道の幅が狭くなる崩壊地点が本日最高の夜景ポイントだった。周辺の登山者によれば京都タワーが見えるとのこと。

写真8 五合目過ぎ、夜景写真9 カワラケ投げ案内板付近にて

再び登りになると左に「カワラケ投げ」の案内板(標高642m)がある。落語の「愛宕山」では、ここでカワケケではなく小判を投げることになる。

軽い頭痛があるのでしばらく休憩する。水分は何度か補給したが足りないのか。大汗で湿度が高くて衣服はベタベタに濡れている。ザックも同様。「おのぼりやす」と声を掛けられても「おくだりやす」と返す元気はない。

写真10 水尾分れ休憩所写真11 ハナ売場
写真12 黒門写真13 愛宕神社

水尾分れの休憩所(標高696m)で再度の休憩。時刻は0時30分頃。近年まで水尾の女性達がシキミを売ったというハナ売場の建物(標高727m)を通過すると、大気が冷えてきたように感じられる。行き交う下山者の数は少なくなり「おのぼりやす」はあまり聞こえなくなったが、走る二人組が下りてくる。もはや迷惑行為としか思えない。

階段の表参道を登り、ようやく黒門(標高840m)が現れて愛宕神社に入った。

愛宕神社

社務所前には消防団の詰め所があり、神職らしい服装の人が飲料を販売していたので念のために購入する。右側の木立の中では休憩する登山者がチラホラ。朝まで時間待ちか。前方の高い位置に電灯が見える。再度、地形図に書かれた石段を登って社殿を目指す。

写真14 社殿への石段写真15 愛宕神社
写真16 愛宕神社写真17 愛宕神社

1時37分に拝殿前に到着。左側に「火迺要慎」のお札の販売所、右側に祈祷・朱印の受付所がある。廊下を進み拝殿にて参拝し、2時からの朝御饌祭を待つと、廊下に神官や和楽器の奏者達が並び拝殿へ進んで行く。これを追うように参拝者が拝殿前に殺到するので内部の様子は伺い知れない。愛宕神社によれば人長の舞などあるらしい。

2時43分、神官達が廊下に出て来た。代わって太鼓が鳴り、希望者の祈祷が始まった。

今年の千日詣りは4年振りに夜間参拝を再開し、新型コロナ感染症に配慮して千日詣りの期間を10日間に延長する密集回避策が取られている。護摩焚神事は中止とのこと。回廊で仮眠する多数の登山者達は、夜明けに月輪寺など照明がないルートを下山するのか。風がないので半袖で充分だが、仮眠するには寒いので長袖が欲しい。

下山

2時53分に社殿を出て表参道を下山した。最終バスの清滝到着は0時過ぎなので、この時刻でも登山者に出合う。清滝の駐車場は満車らしく、往路のバスから見たところ、自動車は交通整理の警察官に追い返されていたようだ。

写真18 愛宕神社写真19 愛宕神社
写真20 愛宕神社写真21 愛宕神社

相当に水分を補給したがまったく小便が出ない。念のために社務所横の手洗いに入った。女性用は10m以上の行列が出来ている。

写真21 表参道写真22 夜景ポイントに戻る
写真23 表参道写真24 三合目休憩所

朝のバスは5時30分から。下山は体力に余裕があるが、どうせバス待ちで並ぶのでボチボチと歩く。そんな態度なので視界に登山者が見えない時間もある。下山者達は自然と集団になるようだ。早朝登山者に出合いなら夜景ポイントまで下りた4時16分には薄明が始まっていた。4時30分にはセミが鳴き始める。青空で雨の気配はない。

舗装路まで来ると左にケーブルカー跡を見て、5時20分に二ノ鳥居に下りた。清滝バス停へは5時28分に路線バス仕様の大型バスが入ってきた。清滝トンネルまで続く行列に並び、30分後に4台目のバスに乗車して野々宮バス停で下車した。31日の京都市の最高気温は35.9℃、1日の最低気温は26.7℃だった。

愛宕神社では神仏分離令までは愛宕太郎坊天狗が祀られていたが、それらしい気配には気付かなかった。愛宕神社のサイトにある「愛宕権現太郎坊天狗」の御朱印、「天狗さまストラップ守」、そして天狗がデザインされた朱印帳くらいか。これほどに天狗の気配が薄いとは思わなかった。

(写真に顔が明瞭に写らないように、人が少ない、顔が小さい、後ろ向き、薄暗いなど配慮している。したがって、登山者数は写真の印象よりは多いと思われる。)

行程表

22:15二ノ鳥居、出発
1:37愛宕神社本殿(1:37-2:53)
5:20二ノ鳥居、着
(作成 2023.08.02)