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  3. 2020年8月8日

近江:伊吹山

伊吹山ドライブウェイから西登山道、東登山道で山頂を一周した。軽い足の怪我があるのでリハビリの一日とした。

登山日
2020年8月8日土曜日
ルート
伊吹山ドライブウェイ-西登山道-伊吹山-東登山道-ドライブウェイ

伊吹山の池

元禄国絵図(国立公文書館)の伊吹山には池が書かれており気になっていた。弥勒堂がある山頂の右側に「池」があり説明が付されている。「池ノ長サ拾三間横拾二間水在之分長サ六間半横三間四尺旱ノ時ハ水無之」「峠ヨリ正東ニ當ル八九分目之間に在之上平寺ヨリ池迄壹里」か。絵図には元禄十四年(1701)とある。

池は24m×23m、水があるのは11m×6m。日照りには涸れる。「峠」はここでは「絶頂」の意味だろうから、山頂の東で八~九合目付近、上平寺から池まで4km。上平寺からの登山道に池があり、人に知られていたらしい。なお、近江国細見図(西尾市岩瀬文庫、1742)では「池ヨリ太平寺迄一里十六町」に書き換えられている。

池が残存するなら、所在場所は山頂の東登山道から南東尾根の上部になりそう。検索すると該当しそうな資料二件が出てきた。一件目は南東尾根1170mの鞍部。此所しかないという場所だ。二件目は伊吹山ネイチャーネットワークの資料で、写真に水たまりとモリアオガエルの卵隗がある。東登山道だが具体的な位置は不明。なお、米原市の資料「伊吹山頂遺蹟」に「弥三郎泉水」がある。観光パンフレットにもあるが、写真など具体的な資料はサッパリ出て来ない。

一件目は面倒。二件目は登山道外の立入制限があり難しそうだが、空中写真で探した道沿いのドリーネらしいものを目標にして出かけた。

伊吹山

写真1 伊吹山写真2 伊吹山
写真3 伊吹山写真2 伊吹山

久し振りの伊吹山だ。山頂駐車場で協力金を投函し、鹿避けフェンスを通って西登山道へ入る。家族連れなどハイカー多数。曇り空だが涼しくて良い。やがて植生の再生実験なのか、フェンスの中ではシモツケソウにコオニユリ、メタカラコウなど混じって別世界。フェンス外はあまり花がなくて地味。落差が大きい。

写真5 弥勒堂写真6 伊吹山写真7 南の弥勒堂

山頂の山小屋周辺では外来植物の撤去なのか作業中の人を複数見かける。しかし、食害なのか、ハイカーによる踏み荒らしなのか、植物が少なく、以前の梅雨明けに見た伊吹山とは様変わりの印象だ。

弥勒堂は二ヶ所にある。南のものは明治末年と案内板にあるので、国絵図の弥勒堂は北のものか。東登山道は南東尾根が上がってくる白竜さんの手前で左折して下る。

写真8 伊吹山写真9 伊吹山

左にドリーネを見送った。「弥三郎泉水」だとしても水はない。目標地点に到着したが背丈のササで視界不良。ササの足下を見ると向こうに水面が見えたのでササを分ける。濁った小規模な池があった。ドリーネや「泉水」の雰囲気はない。ヌタ場でもない。モリアオガエルなら利用価値がありそうだ。百間廊下らしい地形を左に見て進むと、一ヶ所でフェンスが傾いており、強いケモノ臭がある。シカの排除は難しそうだ。

目標を見つけたが、国絵図の池でも「弥三郎泉水」でもなさそう。登山道を離れて徘徊できないので本日は閉店。駐車場を出発すると、道路北側に長焦点レンズが砲列のように並ぶ。こんな天気で、こんなに多数いるなんて驚き。まあ、イヌワシが健在なら良いか。

山麓徘徊

伊吹山山頂から南へ4.7kmにある泉神社湧水、杉沢のケヤキ(野神)、三島池を経由して湿原へ。一軸対象の奇妙な花だが、どの様な構造なのやら。

写真10 湿原にて
写真11 バイカモ、天神水にて写真12 バイカモ、醒井地蔵川にて

枝折の天神水まで狭い道を自動車で入った。僅かながらバイカモがあるが、全ては水の中だ。下丹生古墳に向かうが、自動車の転回もままならぬ狭い道。ハチが窓ガラスにへばり付くので、車外に出られず逃げ帰った。西出商店前の自販機で一服。

醒井では観光駐車場が満車なので国道沿いの臨時駐車所から歩いた。何ヶ所か、花が水面から出ている。梅雨明けが遅れたので地蔵川の水量は多めかも。誰か、バイカモ上の落ち葉を網で取り、そのまま下流へ棄てている。見栄えは良くなるね。

行程表

09:42伊吹山ドライブウェイ駐車場。通行料は3,140円也
10:53山頂三角点
11:51駐車場
(作成 2020.08.10)