大峰:弥山・八経ヶ岳
梅雨の中休み、快晴の一日に大峰山脈の八経ヶ岳(1914.9m)へ出かけた。目的は天然記念物オオヤマレンゲの花を見ること。ルートは行者還トンネル西口から往復するお気軽コース。ほとんどが樹下の道だが木漏れ日で明るい。セミの鳴き声を聞きながら登る道では、平日にもかかわらず多くの登山者に出会った。
- 登山日
- 2001年7月4日水曜日
- ルート
- 行者還トンネル西口-弥山-八経ヶ岳-弥山-トンネル西口
アプローチ

四日市から東名阪・名阪国道を利用。途中、上野付近で渋滞に巻き込まれ1時間を浪費。天理からは橿原、大淀を経て南下する。国道309号線の新川合トンネルを抜けると天川村の川合の信号機。ここで左折して細い309号線を奥へ入る。簡易舗装の道が行者還トンネルまで続いた。
交通止のトンネル内では工事中。手前の駐車スペースを使用できないので、少し手前に自動車を停めた。既に30台程が停められており、ほぼ満杯状態だった。(写真1:駐車地)
弥山
登山届のボックスが設置された登山口から川沿いの道を奥へ入り、木橋で対岸に渡ると登りが始まる。我慢の登りをしばらくで標識があり、奥駆道に合流した。緩やかな風があって気持ち良い。ここで、行者還岳方面から来た高年の夫婦と出会った。
緩やかな登り道で「弁天の森」の三角点を過ぎると、今度は緩く下る。理源大師像のある「聖宝ノ宿跡」からは、弥山への登り道に変わる。樹下の道をジグザグに登り、立ち枯れが目立つようになると弥山小屋に到着した。木陰に置かれたベンチなどで、30人くらいの登山者が休憩している。
鳥居を潜って山頂の社を往復し、国見八方覗に向かう。稲村ヶ岳、山上ヶ岳、大普賢岳や大台ヶ原、南の鋭角的な山は釈迦ヶ岳なのか。
八経ヶ岳


弥山小屋から八経ヶ岳へ向かう。いったん下って鞍部を通り過ぎると、保護柵に囲まれたオオヤマレンゲの自生地となる。その扉をくぐるとオオヤマレンゲの白い花が現れた。写真を撮影している人が何人かいる。全部で4回、扉をくぐったが、2つ目で頭をぶつけた。前方では、次の扉に頭をぶつけたオバチャンが何か言っている。
錫杖が立てられた八経ヶ岳の山頂はあまり広くない。(写真2)南から西方向は樹木が邪魔をするが展望は良い。弥山の背後には山上ヶ岳が見え、大普賢岳は起伏のある稜線を見せている。(写真3)しかし、弥山の山肌には濃い緑のなかに白い倒木が目立つ。
赤トンボが多く、写真撮影には邪魔などと大型カメラを持ち込んでいる人と話を交わす。日陰でおにぎりをひとつ押し込んで、花を見ながらゆっくりと弥山へ引き返す。
帰路

オオヤマレンゲは八分咲きくらいか。つぼみも多いが、1~2日のうちには開きそうだ。直径6センチくらいの白い花だが、なんとなく宗教的な雰囲気さえ感じられる。残念ながら、この自生地にもたくさんの木があるわけではない。写真を撮っていたオジサンの話では、これでもずいぶんとシカの食害から回復したとのことだが。
小屋へ帰ると、奥駆道の出合で話を交わした夫婦が到着していた。今夜は小屋泊まりとのこと。周辺の登山者の姿は少なくなっていた。奥駆道出合までもどると、やはり風が心地よい。ベンチに座って休んでいると、隣の登山者のオバチャンから夏ミカンをもらった。酸っぱいものが嫌いでいつもは食べないのだが美味しかった。
最後のトンネル西口への下りは小石が散らばっており滑りやすい。登山口に帰ると、登山届のボックスに「クマ出没」のチラシが貼ってあることに気付いた。5月27日午前6:30頃、栃尾辻付近の弥山登山道で下山中の登山者が50メートルの距離からクマを見たとのこと。鈴を鳴らすなどの工夫をすること、クマに出会った場合は刺激しないことを中吉野警察署が呼びかけているものだ。
天の川温泉(11:00~20:00 火曜定休、510円)に立ち寄った。浴槽に入ると、痺れるような感覚が全身に広がった。心地良いばかりだ。
行程表
9:13 | 登山口 |
9:57 | 奥駆道出合 |
10:44 | 聖宝ノ宿跡 |
11:36 | 弥山小屋(11:36-12:01) |
12:32 | 八経ヶ岳山頂(12:32-12:40) |
13:30 | 弥山小屋(13:30-13:43) |
14:51 | 奥駆道出合(14:51-15:01) |
15:33 | 登山口 |