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  3. 2000年1月22日

伊勢:朝熊ヶ岳

暖冬で積雪皆無だった鈴鹿の山も昨日の雪でようやく白くなった。それを横目に予定の朝熊ヶ岳へ出かけた。登路の朝熊岳道は整備された道。簿雪の朝熊ヶ岳山頂部からは、鳥羽から対岸の伊良湖まで展望が広がっていた。丸山道は庫蔵寺まで人と出会うことはなく、中河内の集落に出て、近鉄・加茂駅まで歩かなければならない。

登山日
2000年1月22日土曜日
ルート
朝熊岳道-朝熊ヶ岳-丸山道-庫蔵寺

朝熊岳道

写真1

近鉄・朝熊駅の案内板を確認して民家の中の狭い道をしばらく歩く。登山口のふれあい広場には、広い駐車場もある。

樹下の登山道は広く、数字の刻まれた町石が次々と現れる。いったん頭上が開けると、薄く積もった雪で道が白い。再び樹下の道となるが、14町目(写真1)を過ぎると16町目まで展望が広がる。遠くに戦国時代村の城が見え、下山してくる高年登山者と次々にすれ違う。

18町目の町石は真新しい。その上には頭のない地蔵が一体、顔の書かれた小石がちょこんと乗っている。あとひと頑張りで宇治岳道(車道)に出合った。

山頂部

写真2写真3

舗装路を歩いて山頂の八大龍王社へ到着。NHKのアンテナ施設が目立つ。山頂の石柱はにぎやかな施設のなかに埋没している。ここからも展望がよい。少し引き返して経塚群跡へ行く。朝熊ヶ岳の南山頂に相当するところ。東斜面に経塚が建ち並ぶ。(写真2)付近には、これまた巨大なアンテナ施設がある。

写真4

金剛證寺を目指して山道を降りると、門を潜って車道に飛び出した。(写真3)「経ヶ峯・八大龍王参詣道入口」とある。左折して奥の院を目指す。駐車場があり、極楽門を潜ると卒塔婆の立ち並ぶ道となる。付近は薄暗く、ちょっと異様な雰囲気だ。奥の院から引き返して本堂に参詣し、伊勢志摩スカイラインのレストハウスを目指して車道を歩く。

小高い山頂にあるレストハウスは360度の展望。(写真4)鳥羽湾に浮かぶ島々。そのむこうに伊良湖や渥美火力発電所。フェリーが白い波を立てて海上を行き来する。南には低い山々の向こうに熊野灘が光っていた。

丸山道

写真5写真6

スカイラインを戻り、金剛證寺を右にやり過ごす。左側のガードレールの2つ目の切れ目に小さな石標(写真5)があり、「右いそべみち 左まるやまみち」とある。

丸山道は最初は沢沿いの道。この付近は少し荒れており、一般の山道と同程度。やがて石仏が現れると沢は右に遠ざかり、山腹道に変わる。冬枯れの広葉樹林の道は日が射し込んで明るい。(写真6)何度か沢を横断し、最後の沢を横断すると自然石の石畳の道をゆるく登る。この坂道の頂上部は峠になっており、再び緩く降っていく。石のゴロゴロした歩きにくい道がしばらく続き、沢を渡ると頭上が開けて草の繁茂した林道に変わる。雑木越しの右前方に見えるのは丸山とその北のピークだろう。

林道がいったんコンクリート舗装になる緩やかな峠状で、左手に石像がある。この林道は鳥羽レストパークに飛び出した。広い墓地だ。敷地の縁の道を右折して降りていくと、右手にコンクリート舗装の道が分岐しているのでこれに入って庫蔵寺を目指す。途中、右手に低木が茂り始めた道を見つけた。地形図によれば丸山の北にあるピークへ行く道である。丸山は展望が期待できそうにないので、こちらへ登ってみる。山頂は平坦に切り開かれており、スカイラインをターゲットにしていたのか大きな看板が朽ち果てていた。西には歩いてきた丸山道を一望できる。

舗装路へ戻るとその終点が庫蔵寺。周辺に人の気配はない。そのうちに盛んに鈴の音がする。見ていると猟犬が10頭ほど現れて、そのあとに数人のハンターが続く。奥へ入り丸山南尾根の道に出た。薄暗い樹下の道を登る。山頂には岩があり何か石造りのものが沢山ある。4等三角点があるが、残念ながら見通しはきかない。

写真7

庫蔵寺にもどり、山門を潜って石段を降りる。森の中の崩れそうな石段で、足下に気を取られていると前方でリズミカルな音がした。シカが白い尻を見せながら茂みの中へ逃げていく。こちらを振り返っていたが、直ぐに見えなくなった。石段とも石の転がる坂道とも思えるような道が続く。突然足下からキジが飛び立って行く。

水音がして沢を渡ると舗装道に変わる。畑が現れ、彦滝神社の脇を通る。民家が現れると中河内の市道に飛び出した。足元には、「ひこたきみち」、「右丸山道」の石標。(写真7)

左折して加茂川沿いに歩く。前方の山が夕日に照らされてオレンジ色に染められていた。近鉄加茂駅までは少し距離がある。

行程表

10:30近鉄朝熊駅
10:42朝熊岳道登山口、到着(準備など8分)
11:43宇治岳道に合流
12:00朝熊ヶ岳山頂(散策12分)
13:11レストハウス(昼食休憩23分)
13:34レストハウス出発
13:46丸山道:入口の標石
14:00丸山道:石像、沢と別れて山腹道になる
14:37丸山道:沢を渡り、草の繁茂する林道に出る
14:59丸山道:鳥羽レストパーク
15:26庫蔵寺(散策9分)
15:44丸山山頂(散策5分)
16:29中河内の集落、「右丸山道」の標石(散策5分)
17:05近鉄加茂駅
(改訂/書式等 2012.09.09)