鈴鹿:御在所岳
体力維持登山。中道と裏道でコース定数を計算してみた。
- 登山日
- 2024年7月21日日曜日
- ルート
- 中道-御在所岳-裏道
中道

蒼滝大橋の東側駐車場は満車だったので、中道駐車場へ自動車を入れた。閉鎖されている駐車場東口のネムノキには花が残っている。
駐車場出口でGPS(Garmin eTrex32x)のトリップコンピュータをリセットし、高度を550mで設定した。軌跡の取得に使用するばかりで、この機能は初めて使う。
出発は5:44。駐車率は鈴鹿スカイライン側が七割を超えたか。準備中にも次々と自動車が入ってきた。
中道を登る。夏にサボると秋に体力が低下するので、体力維持のために出てきたが暑くてツライばかりだ。


五合目の展望台からは梅雨明けの空が青い。七合目過ぎでナツツバキの花を見つけたが、写真では昆虫が花に張り付いておりグロテスクな感じがする。今年は七月の花が少ないようで、咲いた花にはたくさんの昆虫が集まっている。

八合目過ぎのテラスの上方にてモウセンゴケ。さすがに昆虫はいないが、何時か悪夢に出てきそうな姿ではある。カメラを持つ手が震えてしまうのは体力の低下故のことだろう。ヨイヨイの爺さんには薄暗い場所での細かい写真は無理だね。

こちらはシモツケソウ。固定ロープがある禿げ地の入口にて。以前の中道では、もう少しシモツケソウがあったのだけれど、今日は二ヶ所でしか見ていない。伊吹山と同様でシカに喰われているのか。二ヶ所ともにシカには届かないような位置だった。
御在所岳
富士見岩から遊歩道を三角点まで歩き、同じ道を引き返して裏道へ下りた。2017年発行の分県登山ガイド『三重県の山』と同じルートだ。
裏道


藤内壁を見上げると、バットレスの3人組から何かが斜面を滑り落ちて視界から消えた。大きかったが何だろうか。
「最後の水場」からクサリ場をウサギの耳の前へ下りると丸太を相手に作業中。聞けば登山道整備でクサリ場に何か作るらしい。昨年は「よんの渡し」の架橋だったし、ご苦労様としか言いようがない。
裏道を蒼滝大橋まで下りて、暑い鈴鹿スカイラインを中道駐車場へ戻った。
自動車に戻ると、左足の親指付け根付近が靴ズレで痛くなる手前の状態。左足くるぶし内側の当たりの問題で何かと試しているが、購入したアルパインクルーザー800はアッパーが柔いのでデコボコが出来てしまったらしい。悩ましいことだ。
行程表
5:44 | 中道駐車場、出発 |
5:47 | 中道登山口 |
8:46 | 富士見岩 |
9:14 | 御在所岳三角点(9:14-9:23) |
9:40 | 裏道下山口 |
11:44 | 裏道登山口 |
12:03 | 中道駐車場、到着 |
コース定数とトリップコンピュータ
どうでも良いことだが、登山ルートの「コース定数」を計算しようと思った。コース定数は(1)歩行時間、(2)歩行距離、(3)登りの累積標高差、(4)下りの累積標高差から算出される。コース定数に重量(体重+荷物、単位kg)を掛け算してやると行動中のエネルギー消費量(kcal)になる。また、kcalをmlに読み替えると、おおよその脱水量(夏季はもっと大きい)になるとのことだ。
ただし、歩行時間は属人的なもので定数ではない。ガイドブックなら標準時間を設定することになるが、さじ加減は様々だろう。歩行距離などは登山ルート固有の数値だが、直線ならともかく、細かく折れ曲がった登山道では測定方法によって数値は異なるだろう。したがって、コース定数は計算者によって変化し、ある程度の振れ幅が予想される。どれくらいの差があるだろうか。
これら(1)~(4)の数値の測定手段としてGPS(Garmin eTrex32x)を使用した。二枚の画像はトリップコンピュータ機能の画面だ。左側が中道出口の富士見岩、右側が裏道出口の蒼滝大橋西詰でのもの。始点は中道駐車場だ。


注目すべきはTP移動時間とTP停止時間の数値。例えば、中道駐車場~富士見岩の移動時間は17分13秒、停止時間は何と2時間45分。あまりに鈍足過ぎて、GPSからは停止しているように見えるらしい。どうにも使えない計測値が出て来た。
総上昇量や総下降量は富士見岩ならこんなものか。
なお、GPSを同一地点に放置すると、計測による現在位置が常に微少に変化をするので、GPSが移動していないにも拘わらず移動距離が計測される。


実験してみた。登山日の翌日に、各数値を0にリセットして、1時間ほど屋外にGPSを放置した。
結果、GPSは移動していないのだが、計測値は198mを移動したことになっている。どのように評価すれば良いのやら。休憩中はGPSの電源を切るべきかもしれないが、この件は無視しておきましょう。
今日のルート(中道登山口~三角点~裏道登山口)のコース定数を調べると、『三重県の山』では18としている。計算根拠の数値は非公開だ。なお、これは周回コースではないので、裏道登山口~中道登山口の間の歩行時間22分、歩行距離1.2km、登りの累積標高差70mに相当するコース定数1.7を加えると、有効数字は無視して、周回のコース定数は19.7になる。
『三重県の山』には歩行データの記載もある。歩行時間4時間50分、歩行距離8.0km、累積標高差は登り800m、下り895m。歩行時間は初心者を想定。歩行距離などは地形図から算出したとのこと。累積標高差の数値が過大に思われるが、これらの数値から計算するとコース定数は19.6になった。この距離条件でコース定数が18になる歩行時間を逆算すると3時間55分になるが、三角点の往復込みだと厳しいように思う。何かがおかしい。
ヤマップには今日のルートとほぼ同じ周回ルートが掲載されているが、記載されたデータを見ると累積標高差がやはり過大と思われる。断面図を見ると蒼滝トンネルを通過せずに上の斜面を登っているので、いい加減なものだ。気にしないで計算すると、コース定数は21.2になる。この数値から『三重県の山』と比較できるように1.7を差し引くと19.5になった。
裏道出口のトリップコンピュータの計測値から算出したコース定数は19.8になった。TP合計時間から30分を休憩時間として差し引き、『三重県の山』と比較できるように中道駐車場~中道登山口の分を補正してある。
GPSによるコース定数の計算値は「爺さんのコース定数」なので、歩行時間の長さに引きずられてコース定数は大きくなると思ったが、既存のコース定数と大差ない値に収まっている。累積標高差などの距離データの計測値が小さいためだ。既存のコース定数は、計算根拠になる数値が非公開だったり、信憑性が怪しかったりするのだけれど。