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石山観音

概要

石山観音(津市芸濃町)には鎌倉期の阿弥陀如来、地蔵菩薩の磨崖仏、比較的新しい三十三観音など40体余の石仏があり、歩道が整備されている。山頂は馬ノ背と呼ばれる巨大な岩の一部で、ここから伊勢湾方向の展望がある。

2018年12月13日

写真1 石山観音公園の案内
写真2 地蔵菩薩立像

三重県運転免許センターで免許更新を完了、久居ICから伊勢道に入り、関ICで名阪国道を下りる。伊勢別街道を南東へ行くと鈴鹿CCや石山観音の案内があるので、その道へ入ると呆気なく石山観音に到着した。その先の道路脇に駐車場がある。

石山観音の入口周辺は公園として整備されており、諦めていた紅葉が僅かに残っていた。駐車場南側に案内があり、川へ下りると等身大の地蔵菩薩の座像、立像が各1体、対面に種子の梵字3つが岩に刻まれている。公園に戻り石段を上がると正面に地蔵菩薩の磨崖仏がある。像高3m余りの大型のもの。さらに登ると二番の観音像前でT字路になり、順路標識が左を指していた。

写真3 聖観音立像

順路に従うと、小さな弘法大師像などがあり、その先に顔がない聖観音立像が現れる。廃仏毀釈で損傷したのかと思ったが、案内書によれば風化とのこと。像高2.5m、170年前の新しい石像だ。石山観音では各所で風化の被害を見たが、どの石仏にも花など供養されている。

写真4 石山観音公園案内図
写真5
写真6
写真7 馬ノ背
写真8 馬ノ背

九番の石像の辺りから馬ノ背本体の巨岩が現れるが、この付近は岩に高さがないためか、大型の磨崖仏はない。

標高160mほどの山頂に立てば、伊勢湾の向こうに知多半島や志摩半島、湾口の島々も見えるが、展望にはやや高度不足。背後は立木で、期待した程には鈴鹿山脈の展望を得られない。周辺には落書きならぬ落彫りが多数あるが、一部で岩が薄皮を剥くように風化していた。砂岩や泥岩といった質の岩に見える。

写真9 東屋から馬ノ背

馬ノ背は、波打つような一枚岩が尾根を構成している様に見える。移動して西側の東屋から馬ノ背を眺めてみるが立木が邪魔で全容をつかめない。順路に戻り、馬ノ背北側の歩道を下った。三十三観音には、風化で前面が大きく剥落した小規模な磨崖仏もあれば、大正・昭和の年号が彫られた石像も見られる。

写真10 阿弥陀如来立像

最後に阿弥陀如来立像。案内書によれば鎌倉時代の特徴があるとか。像高3.5m、石山観音最大の磨崖仏とのこと。ここから入口の地蔵菩薩立像まで僅かの距離だった。良く整備された歩道をゆっくりと一周して1時間余り。汗もかかなかった。

(作成 2018.12.14)