1. 鈴鹿山脈/登山日記

  2. 山麓徘徊
  3. 2018年2月12日

美濃:明王山 迫間不動

以前から訪ねてみたかった迫間不動へ出かけた。美濃三不動(日乃出不動、迫間不動、山中不動)は私にとってはワンダーランド。雪が残る明王山は良い展望台だった。

登山日
2018年2月12日月曜日
ルート
新鵜沼駅-日乃出不動-迫間不動-明王山-山中不動-苧ヶ瀬駅

日乃出不動

名鉄・新鵜沼駅から歩く。風が冷たく、見つけたモスバーガーに飛び込んで昼食。店内で暖気を貯め込んで中山道を西へ歩く。鵜沼宿の歴史民俗資料館前を通過。すぐに清酒菊川前で日乃出不動2.4kmの指導標を見て右折。川沿いに北進して大師堂で左の道へ入った。

溜め池のところで民家が途絶え、大安寺前を通過。ここから各務原パークウェイ沿いに鉄製の朱い灯籠が並び、宗教系施設や飲食店が点在する。車折神社に立ち寄る。社務所には受験の合格祈願と書かれ、それらしい参詣者の姿がある。京都から分霊した学問の神様とのこと。

車折神社の北隣が日乃出不動。白い旗が立ち並ぶ。不動尊なのに立派な石鳥居があり、背後の斜面には高いところまで白や赤の旗が立つ。青空のもと、陽光に照らされて何者かが存在を誇示していた。行ってみる。

写真1 日乃出不動写真2 日乃出不動写真3 日乃出不動・霊神碑

本殿の裏に回り込むと霊神碑がある。頂点に御嶽大神、駒岳大神、摩利支天があり、覚明霊神、普寛霊神、心明霊神など見える。手前に並ぶのは日乃出不動に関係する霊神か。滝があり、狭い石段を登るとテラスに出た。

写真4 日乃出不動・落ちない岩写真5 日乃出不動
写真6 見晴天狗写真7 日乃出不動・最上部の岩

岩に注連縄があり「落ちない岩」とある。何処かに受験者に大人気のパワースポット「おちなーいわぁー」と書いてあった。何とも能天気。これが不動明王のご神体である大岩らしい。さらに最上部にも大岩があり、こちらは御嶽大神とも天御中主大神ともある。付近には八大竜王、威徳天(菅原道真)、毘沙門天、役行者、土公神など。天狗像は向かいの八木山に祀られていた火伏せの神様・見晴天狗。何とも明るく賑やかな空間だった。

迫間不動・明王山

写真8 多賀坂林道写真9 迫間不動参道

各務原パークウェイを歩き、各務原市・関市境界の日当たりの良い峠に到着。多賀坂林道改修記念碑があり、自動車数台が置かれている。この先、迫間不動の谷へ降りる道は日陰になり凍結していた。

写真10 迫間不動・奥の院写真11 迫間不動・奥の院写真12 迫間不動・奥の院前

迫間不動にも石鳥居があり、霊神碑など並ぶなかに鞍馬大魔王尊天の像を見つけた。何故か天狗は人気がある。石畳の参道を歩き、車道に出ると護摩殿前を通過。谷中の参道を奥へ入る。石像、石碑が並ぶが詮索している時間的余裕がない。朱い鳥居まで来ると滝があり行き止まり。左手の岩窟が奥の院で暗い空間に入る。ロウソクが立ち並ぶが、祀られている石像などは闇の中だ。

奥の院手前から八方拝殿への階段道を10分程登る。尾根上には車道があり鉄塔2つ。舗装路の雪は日陰以外では融けている。東へ歩き、猿啄城跡への雪道にハイカーの靴跡を見る。しかし、鉄塔がある明王山の見晴台から猿啄城跡のヤグラを見ると遠い。坂祝駅に降りるつもりだったが却下。金比羅山(金比羅神社)に立ち寄り、西の尾根を降って多賀坂林道改修記念碑の峠に降りた。

写真13 明王山から

明王山からは展望を得られる。名古屋駅の高層ビルや、その手前の小牧山など見えていたが、時刻が遅く早々に山頂を辞した。

山中不動

却下した坂祝駅より遠いが、各務原パークウェイを苧ヶ瀬(おがせ)池方面へ歩く。途中には寺院と特別養護老人ホームがあるばかり。山中不動は愛宕山北側の谷間にあった。この時期、この谷に日が差すことはあるのか。もう薄暗く、雰囲気が重い。

規模は小さく、籠堂、弘法堂、本堂と続き、その裏手に岩屋がある。そこに不動明王が祀られているが人の気配はなく、ただロウソクが燃えるばかり。ロウソクに書き込まれた願い事は商売繁盛や大学受験など陽気なものばかりではない。

写真14 山中不動写真15 山中不動
写真16 山中不動

弘法堂の手前から左上へ長い階段が急角度で登っていく。入口に敬眞山御嶽大神とある。登り切ると建屋があるが傷み始めていた。その背後に大岩があり、白河大神、三笠山大神などとある石碑が見えるが、ヤブを突破しないと近づけそうにないので諦めた。この建屋は大岩に対する拝殿か。雪が残る階段の下降は少々危険を感じた。狭くて不揃い、傾いているものもある。

道路に戻ると正面から夕日に照らされ、民家が現れる。正直、安堵する。八大竜王が祀られた苧ヶ瀬池を、薬王院、八大白龍大神、八大竜王本殿と歩き、無人駅の苧ヶ瀬駅に到着する。電車は1時間に2本、駅で待つのは私ひとり。

写真17 苧ヶ瀬池にて

歩いた山域は「各務原アルプス」などと呼称されるが、明王山で指導標を整備しているのは関市。当然ながら、現場には「関南アルプス」と書かれている。迫間不動の周辺では、一般参詣者以外にハイカーを5人ほど見かけた。

行程表

11:28新鵜沼駅
12:36車折神社・日乃出不動(12:36-13:07)、新鵜沼駅から途中で20分昼食
13:33迫間不動
14:07八方拝殿
14:32明王山
14:41金比羅山三角点
15:09多賀坂林道改修記念碑
15:46山中不動(15:46-16:14)
16:59苧ヶ瀬駅
(作成 2018.02.13)