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御在所岳日記

武平峠から往復した。現在、中道登山道は通行止めだ。

登山日
2016年8月14日日曜日
ルート
峠道-御在所岳-峠道

峠道

写真1 武平トンネル東口写真2 天指し岩にて

日出時刻に武平峠駐車場に到着。周辺は霧。峠の三重県側に人の気配はない。ウグイスのさえずりを聞いて出発。トンネル東口から登山道に入る。

武平峠からのガレ場は霧の中の灰色世界。これが終わると風のない溝道に変わり暑い。右手のササの合間から、異様なオレンジ色を見て何者かと疑う。正体は朝焼けした雲だが、突然に現れた想定外の色合いに驚く。溝道を飛び出すと再び灰色世界。天指し岩で休憩すると、伊勢湾上の雲から朝日が顔を出す。熱輻射を受けた頬が熱くなるが再び霧に沈み、満月のような丸い輪郭をしばらく残していた。

写真3 遊歩道にて

ようやく山頂遊歩道に到着すると青空が広がり、色鮮やかな世界に横方向からの光線が陰影を造り出す。脳内プレイヤーが勝手に morning has broken... と楽曲を演奏するが、長者ヶ池のステンレス製鳥居を見た途端に吹き飛んだ。

異様な鳥居の横には樹脂製の巨大ろうそくが置かれている。塗装が禿げた見苦しい紛い物だが、その右に金属製の小さな台座が残る。この台座上に、確か愛知県議会の某議員名を書いた板切れが乗っていた記憶がある。直ぐに見なくなったが、風で飛んだのなら技術の未熟を暴露しているようなもの。既にプラスチックの粗大ゴミと共に撤去すべき時期だろう。世間を照らすという前に、自身の常識を照らしてほしいものだ。目を転ずれば沢山飛ぶトンボに気付いた。トンボに惹かれて御嶽大権現に向かった。

富士見岩・中道登山道通行止

三角点に到着した頃には青空は消えている。ここから東山頂(朝陽台)に向かう。駐車場から富士見岩までに行き違った登山者は単独行者3人のみ。

現在、中道登山道は通行止。菰野町のサイトには「御在所岳の中登山道山頂付近において一部崩落があり、更に落石の恐れがありますので中登山道は現在通行止めとなっております。登山予定の方はご注意ください。」とある。

また、三重県山岳連盟のfacebook(2016.08.05 23:43)には、コメントとして富士見岩の写真を掲載して「階段左の土が赤茶けたところに鎮座していた、上に地蔵さんがいた岩が動きました。」などと詳しい。

写真4 富士見岩写真5 富士見岩

現場へ行くと富士見岩、中道共に閉鎖されており、それらしい岩が転がっている。石像は回収されたのか、奥に置かれていた。12日付の中日新聞には「復旧のめどは立っていない」と書かれている。

御在所岳・朝陽台

写真6 朝陽台にて写真7 御嶽神社
写真8 摩利支天、大日如来、観音菩薩写真9 裏道下山口の石像

朝陽台に人の気配なし。ここには鳥居があり、西へ「覚順行者遺跡」の石碑、御嶽神社の小祠、石仏三体の順で列んでいる。三体のうち、右の石像は富士見岩と同様のもので猪に乗った三面の姿は摩利支天のようだ。「地蔵さん」ではない。中央は智拳印を結ぶ大日如来に見える。左は観音菩薩だろうか。大日如来の台座に「天台寺門宗東海寺門會」とあるので、表道の不動明王像と同様に総持寺(知立市)関係の石像か。なお、左の石像の台座は「昭和二十二年十月施主高木」のようだ。

また、小祠の右にも石像があるが良く分からない。ここから離れて裏道下山口に怖い顔をした女性のような石像があるが、これも良く分からない。

下山

往路を引き返して下山する。アゼリア前の広場に登山者3人が見える。そして自動車が1台。泊まり込んでいる御在所ロープウエイ社員の出勤だろうか。峠道では団体など23人(6組)と行き違った。中道通行止の影響か、いつもより登山者が多い。

自動車を回収し、鈴鹿スライラインを下って中道登山口に近づくと車道を登る登山者が少しばかり。表道へ回るのか。そしてロープが張られた登山口では1グループが思案している。駐車場は何時ものように満車のようだ。

行程表

5:10武平峠駐車場
6:20山頂遊歩道
8:15山頂遊歩道下山口
9:11駐車場

追記:中道登山道通行止の解除

8月25日、菰野町や御在所ロープウエイのサイトによれば、中道登山道の通行止めは解除されたとのこと。

(作成 2016.08.14、追記 2016.08.31)